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Green School 世界を変える学校(Bali)

  • KG
  • 2015年2月12日
  • 読了時間: 4分

バリの観光地から離れたジャングルを進むと、急に子供の声が聞こえてきた。ここが、2012年には最もグリーンな学校と認定され、国連の総長も視察に訪れたというGreen Schoolだ。

40カ国以上から生徒が集まるこの学校は、小学校から高校まである。新しい教育システムの提唱を行いながら、現地の貧困層へ教育機会を提供したり、持続可能な生活様式の提唱&実践をしたりしていて、いわゆる学校とは全く違う印象を受ける。

現代の教育システムは上手く機能していない

彼らは、より良い教育を生み出そうとしている。

「今のシステムの基で上手く機能しているのは全体の15%程なんだ。だから残りの85%にも機能する教育に変えていく必要がある」

学校として大事にしている事は、”Fun”な教育。楽しめないと意味がない。例えばバイクが好きなら、バイクを題材に外国語を学べばいい!だからテストも最低限しか行わない。なぜかって?科学的にテストをする事が学力を高める事はない、と実証されているからだ。だから、今話した事をどれだけ理解したか、など最低限のテストしか行わない。自分自信の情熱の源泉を見つけながら、自分の頭で考えられる人間を作る。それを見つけられないから、高学歴にも関わらずみんな何回もキャリアをかえるんだよ、と先生はぼそっと言っていた。

橋も教室もプールも自分たちで作る

驚くことに、この学校にある多くの施設は子供達が作っている!橋も教室もプールも、子供達が必要性をプレゼンして、デザインの段階から設立に関わっていく。

(奥のきれいな水がたまっている部分がプール。手前は自然の川。)

(排出物は肥料に/食べ残しは家畜のえさに)

(農薬も科学肥料も使わずに育てた植物。エコシステムの一部になっている。)

(教室)

ピザ釜も最近、生徒達の手で作られたそうだ。与えられるのを待つのではなく。自分たちから何が必要なのかを考え、訴えていく。そして作る。ジャングルにある泥の中で走り回る子供達を見て、その逞しさに驚いたし、悔しかった。

持続可能な生活を実践する

Green Schoolというだけあって、この学校の生活はひと味違う。

まず、建物は全て竹で出来ている。また、食べ物も全てではないが、自分たちで作る。野菜を栽培したり、時には家畜を殺したりする事もある。もちろん農薬や化学飼料は一切使わない。そして、食べかすや人間の排泄物は、家畜のえさや肥料にする。一つのサイクルがこの学校の中で回っているのだ。加えて、電気などのエネルギーも自分たちで作っている。なんと70%以上のエネルギーを、学校の太陽光発電を用いて賄っている!更には、自然の力も活用している。バリには蚊がとんでもなく多く生存するのだが、学校にはあまりいない。理由は2つ。まず、蚊が必要とする水たまりを学校の周りになるべく作らないこと。そしてもう一つはレモングラスを教室の周りに植えている事。蚊はこの植物が大嫌いなのだ。

教育の質は高い

「生きる力はとてつもなく高まりそうだけど、学業は大丈夫なの?」多くの親がこの疑問を持って、学校に見学にくる。少なくとも今までの実績からは全く問題ない。通常の教育に戻った後も、問題なく全員が授業についていくし、大学への進学率も高い。(もちろん、起業やギャップイヤーの取得を希望する場合は、学校は全面的にサポートしてくれる。)

忘れられない光景

このすばらしい学校の中で、とりわけすばらしい光景を見た。8歳程の女の子が、20人以上の大人の会話に入り込み、自分の意見を堂々と主張し、更には大人の意見で誤っている部分をはっきりと指摘した事だ。

経営面での持続可能性

これは、インドネシアだからできる教育なのか?たとえば東京で経済的に維持できるのだろうか?先生は「可能だ」と確信している。というのも、学費は正直言って安くない。だから生徒も富裕層の子供が多い。現地の子供には、奨学金制度を設ける事で、人数は限られているものの、教育の機会を与えている。また、支援金も多い。この学校の考え方に共感する人は多いのだ。

次世代のリーダーがきっと生まれると、確信できる学校だった。

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